真空成型を行う際に使われる型材には複数の種類があり、その中でも代表的なのが樹脂型と石膏型です。真空成型は、シートを加熱し柔らかくした状態で型に密着させて形状を転写する工法であり、型材の選択によって「仕上がりの精度」「生産数」「コスト」「納期」が大きく左右されます。本記事では、樹脂型と石膏型それぞれのメリット・デメリットに加え、石膏反転による真空成型の流れを詳しく紹介します。
樹脂型は主にエポキシ樹脂やポリエステル樹脂などを使用し、マシニングセンターなどで削り出して製作する型材です。木型より精度が高く、金型よりも低コストという“中間的な型”として位置づけられています。数百回の成形にも耐える強度があり、小ロット〜中ロットの量産に適しています。
【樹脂型のメリット】
【樹脂型のデメリット】
石膏型は、石膏を流し込み固めて作られた型材で、加工性の高さと低コストが特徴です。創業期から真空成型で多用されており、特に試作や少量生産で今も採用されています。
【石膏型のメリット】
【石膏型のデメリット】
石膏反転は、現物(完成品やマスター模型)から型を作る方法で、形状を忠実に再現しながら低コストで型製作ができる点が魅力です。特に単品や小ロットの生産に適しており、デザイン試作や展示用モデル作成でも多く採用されています。
① 現物の準備と原型製作
最初に原寸大のモデルを用意し、その上に石膏を流して反転型を作ります。原物の形状に合わせ、職人が抜き勾配・曲面の丸み・エッジ処理など最適な形状に整えます。
② 反転型をもとに鋳物用石膏原型を製作
真空成型に適した鋳型を作るため、石膏原型をさらに調整します。表面の凹凸を整え、最終的な金属鋳型の基礎となる“母型”に仕上げます。
③ 鋳物の発注・型の仕上げ工程
鋳物メーカーへ発注し、アルミなどの鋳造型が完成したら、裏面の平面出し(裏すり)、磨き、真空穴あけなどの工程を経て仕上げていきます。真空穴は成形時の吸引力に直結する重要な工程で、成形品質に大きな影響を与えます。
④ アルミ板への固定と最終組み立て
完成した鋳型をネジでアルミ板に固定し、成形機に組み付けることで真空成型型として使用できる状態になります。
石膏反転が凸型(雄型)に向いている理由
凹型にすると内部の仕上げが難しく、磨きや勾配付けに大幅な手間がかかるため、コスト増につながります。凸型であれば職人が外側から調整しやすく、反転作業も効率的に行えるため、低コストでの型製作が可能になります。
ただし限界もある
完全な円形や高い寸法精度が求められる製品、複雑な細部形状が必要な製品は石膏反転では対応しにくく、精度の高い樹脂型・金型を使用する必要があります。
樹脂型や石膏型、あるいは木型といった「安価でスピーディーな型材」をいつ・どう使うかは、プロジェクトの初期費用とリードタイムに直結します。真空成形の最大のメリットである「安さと早さ」を享受するためには、これらの型材を柔軟に使い分けられるメーカーを選ぶことが重要です。
特に「まずは数十個の小ロットで試作したい」「本金型を作る前に現物でフィッティングを見たい」「とにかく初期費用(型代)を抑えたい」といったニーズがある場合、以下のポイントに対応できるメーカーを比較検討することをおすすめします。
「必要な精度」「ロット数」「予算」「納期」の優先順位を明確にした上で、自社工場を持ち、試作から量産へのスケールアップが得意なメーカーを複数比較し、最適なパートナーを選びましょう。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)