真空成型をする際に使われる型材の種類として、樹脂型や石膏型があります。それぞれのメリットとデメリットとしてはどういったものがあるのか、石膏反転の真空成型はどのような流れで行われるのかについて紹介します。
樹脂型は、特に量産に向いているタイプの型材です。非常に強度があることから、数百回でも使用できます。主な素材はエボキシやポリエステルです。
メリットとして、強度が高いことからマシニングセンターでの加工が容易に行えることが挙げられます。そのため、試作型として使用されるケースも多いです。
量産化できるようになるまでに何度か試作を重ねなければならないのが一般的であるため、このようなシーンで樹脂型が多く用いられています。また、加工しやすいことから短納期が期待できるのもメリットです。
一方、デメリットとして挙げられるのが、熱伝導率が高くないため、冷却するのに時間がかかってしまうことです。また、真空成型で使われる型材には他にも木型や金型、後述する石膏型などがあるのですが、これらと比較するとコストがかかるのもデメリットといえるでしょう。
また、樹脂型は温度調整が難しいことから、反ってしまうことがあるのもデメリットです。それから透明材料を使った場合、曇りが発生する特徴を持つため、透明度にこだわる場合には向いていません。
石膏型は、石膏を用いて作られる型材です。
それほど硬いものではないことから、加工しやすいメリットを持ちます。また、材料費や加工費を安く済ませられるのも特徴です。できるだけ費用を抑えたいと考えているのであれば、石膏型が利用できないか検討してみると良いでしょう。
雄型・雌型の反転についても簡単に行えます。
注意したいデメリットとして挙げられるのは、強度の低さです。そのため、何度も使用することは難しく、数回程度が基本です。一般的に試作で石膏型が選択されることは多いのですが、量産しようと考えている製品には向いていません。
前述した樹脂型と同様に透明素材を加工する際は曇りが発生し、すりガラスのように見えてしまうのもデメリットです。
真空成型を行う際、現物反転による真空成形を選択することによってコストを抑えられるケースがあります。現物反転による真空成形を行う場合、先に原寸大で石膏型を作らなければなりません。
その上で職人が抜き勾配や丸みなどをつける加工を行い、仕上げていく形です。
成形物が形になったら、鋳物用の石膏原型の製作と進みます。続いて必要な鋳物を発注し、裏面を平らにするための裏すりや磨き、真空穴あけなどを行い、仕上げていく流れです。
あとは完成した鋳型をネジでアルミ板に固定して完成となります。
現物からの反転型を行う場合、特に凸型に該当する真空成形型が適しています。これは、加工をしていく中で職人が手作業で仕上げていく工程が入るのですが、凹型だと手間がかかってしまうことが大きな理由です。結果として思うようにコストを抑えられないこともあります。
凸型の真空成形型において、できるだけコストを抑えたいと考えているのであれば、石膏反転の真空成型を選択することについても検討してみてはいかがでしょうか。
なお、完全な正円のように高い精度が必要になるものについては石膏反転の真空成型では対応できないこともあります。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)