真空成形と混同しやすい加工方法として、挙げられるのが「圧空成形」です。特徴はやや似通っているものの、細かい部分などには違いがあるため、まずは圧空成形の強みについて確認しておきましょう。
圧空成形でまず注目したいのが、短い製作期間でありながら、真空成形と同様に生産個数に合わせた材質を選択することが可能であり、それでいて射出成形と近しい整備された表面形状を実現させることができます。こうした特徴を持ちながら、金型製作コストが安価である点も見逃せないでしょう。ただし、真空成形と比べるとやや割高となります。
両者の持つ特徴の違いとして、真空成形とは加熱によって軟化した樹脂板などの板と型の空間を真空状態とする加工方法です。板と型が真空状態となることでより密着することが特徴であり、密着が完了したら冷却を施すことで形状化させていきます。
一方で、圧空成形では、板と型の密着を図っていく際に、真空成形と違い圧縮空気も加えることが大きな特徴です。これによって、真空成形と比較してもより強く密着性が生まれるでしょう。これにより、型形状の再現性の向上も期待できます。
両者の違いとして、真空成形を用いて製作できる形状は、圧空成形であっても製作が可能です。それに対して、圧空成形を用いて製作する形状は、真空成形だと製作が不可能となります。
圧空成形を利用した方が良い例として、よりデザイン性の高さを加工物に求めたいケースが挙げられます。圧空成形であれば、シャープなラインであったり、曲線を組み合わせた形状であったりを再現することができるでしょう。一方で、素材の持つ透明感や艶を活かした加工物を望むのであれば、素材の味を引き立たせることに適した真空成形がおすすめです。
また、真空成形と圧空成形の共通点として、非常に幅広い分野でニーズを問わずに活躍している点が挙げられるでしょう。医療機器や計測機器、電子機器に対してはもちろん、外装カバーや農機、鉄道車両、ゲーム機、搬送機器、レジャー関連などにおいて、これらの加工方法が用いられています。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)