真空成形の加工の流れ

真空成形は、多品種・小ロットを対象として利用されている成形法のことです。真空成形にはさまざまな工程があり、1つの工程が合わないだけで製品の出来栄えに大きく影響します。ここでは真空成形の加工の流れとトリミング・面取りの重要性を紹介します。

真空成形の加工の流れを確認

真空成形の加工は以下の流れで行われています。

  1. 材料となる熱可塑性のプラスチックシートをクランプする
  2. プラスチックシートを上下から加熱し、軟化させる
  3. 成形型を上昇させて材料を押す
  4. 成形型を押し上げ、材料を伸ばす
  5. 成形型にある表面の小さな穴から空気を吸い、材料を成形型に密着させる
  6. 成形完了後、冷却して形を固める
  7. 成形品と型が剥がれ、真空成型の加工が完了する

成形後にトリミングと面取りが必要

真空成形の加工は、成形後にトリミングと面取りが必要です。

トリミングと面取りを行う理由は、まず1つめに手触りが向上する点です。加工後、素材の角は刃物のように鋭くなっていることが多く、バリがあることも少なくありません。面取りによって尖っている部分を取り除けば、使用者が怪我をする危険性も少なくなり、手触りが良くなります。特に顔に近い部分で使う製品、子どもが使用する製品は大きなR面取りが必要です。

さらに、動作不良の防止になるという点もトリミングと面取りを行う大きな理由です。部品の一部にバリがあったり鋭くなっていたりすると、機械内部でバリがとれてしまうという不具合につながるため、面取りやトリミングが必要なのです。

他にも、寸法精度を修正するという目的もあります。真空成形の加工時に、多少のズレが生じてしまった寸法も、トリミングや面取りによって修正が可能です。

トリミング加工の流れ

トリミング加工は以下の流れで行われています。

  1. 3DCAD/CAMなどでトリミングの加工データを作成
  2. 完成した成形品をNCトリミングにかける
  3. 治具で成形品をクランプする
  4. 作成した加工データに基づいてトリミング加工を開始する
  5. 二次加工が必要な場合、NCルーターに合わせてさらに加工をする

面取り加工を行う方法

面取り加工は、主に4つの方法で行われています。

  • フライス加工
    刃先が斜めのC面取り買った、刃先に凹んだ丸みがついているR面取りカッタなどによって、フライス盤で面取りを行います。テーブルに素材を固定して工具を移動させるだけで、直線状の面取りが可能です。
  • 旋盤加工
    旋盤で、円柱状の素材の端面や穴の周囲、そして溝の縁の面取りを行います。C面取りなら斜め45°の片刃バイト、R面取なら総型のバイトなどで処理します。
  • ドリル加工
    穴の周辺にある面取りに用いられる加工方法です。穴周辺の面取りは開き角90°の面取りカッタを使用することが多いですが、R面があるセンタードリルを使ったドリル加工で行うこともあります。穴径よりも大きな径のドリルを使用して、ドリルの先端角で面取りを行います。
  • 手作業
    ヤスリ・面取りツールなどの手工具や電動工具、エアツールを用いて手作業で面取りを行います。あまり精度は高くないため、精度が求められない部分やバリ除去を目的とする場合に用いられる方法です。

これら4つの方法の中で、どんな部位の面取りをしたいのか、どれぐらいの精度で面取りを必要とするのかを確認し、総合的に判断して適した面取り方法が採用されます。

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※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf

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