自社の部品に適切なトレーを選ぶために、まず最初にトレーを使う目的を整理しましょう。使用環境や目的によって、トレーに必要な性能も見えてきます。
運搬途中で部品がぶつからないよう仕切りが必要
長期にわたって積み重ねられる構造を重視
取り出しやすさが重要
薬品に強い材質や高温に耐えられるタイプがおすすめ
帯電防止や導電性のあるトレーの活用が効果的
プラスチック製トレーに使われる主な材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)、HIPS(高衝撃ポリスチレン)とABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などが挙げられます。
透明度があり、軽量で成型しやすいプラスチック。耐薬性や耐熱性も優れており、製造業の現場で、クリーンな環境が求められる場合や異物混入を防ぎたいといった用途に向いています。
耐熱性や耐薬品性が高く、洗浄工程で使われる洗剤や熱水で繰り返して洗浄しても性能を保ちやすいです。変形や劣化が比較的少ないため、日々のメンテナンスにも適しています。
HIPSとABSは衝撃に強く、強度も高いため、保管・搬送であったり、繰り返しの使用が必要なシーンで多く使われます。
導電材料と組み合わせて帯電防止のトレーの製造によく使われるプラスチック。電子部品の保管や搬送におすすめです。
トレーを選ぶ際、標準規格のサイズで十分な場合もあれば、部品の大きさや形状に合わせてオーダーメイドしたほうが良いケースもあります。
積み重ね(スタッキング)ができるタイプは省スペース化につながり、保管や輸送がスムーズに。仕切りがあるトレーの場合は、パーツを個別に収納できるので、傷や衝突による不具合を減らす効果があります。
どのように重ねられるか、仕切りが取り外し可能かなど、細かい使い勝手も確認すると失敗を防げるでしょう。
最後に、費用面とお手入れの手間を把握しておきましょう。使い捨て前提の安価なトレーを短期間で入れ替える方法もあれば、丈夫な素材を使って長期間繰り返し利用する選択肢もあります。
また、油や粉塵が多い工程では、洗浄しやすい材質のほうが管理がしやすく、結果的にコストダウンにつながることも少なくありません。定期的なメンテナンスの回数や、洗剤や水分に対する耐性などを見極めて検討することをおすすめします。
自動車業界において、真空成型トレーはさまざまな場面で活躍しています。例えば、自動車一台に使用される数万のパーツを適切に搬送・収納できるものとして、真空成型トレーは欠かせません。これまで、段ボールなどで部品を搬送していた工場でも、より耐久性があり、収納しやすい真空成型トレーへの転換が進んでいます。
スマートフォンやパソコン、テレビ、カメラなど電子系の精密部品の管理には、真空成型トレーが欠かせません。こうした精密機器には高性能の部品が非常に多く使われており、部品の包装や運搬で不備が発生してしまうと、機器のパフォーマンスにも大きな影響を与えてしまう可能性が高いです。真空成型トレーなら、機器の形に従ってトレーをオーダーメイドできる以外にも、導電性や帯電防止対策も可能というメリットがあるため、精密機器部品の包装によく選ばれます。
真空成型トレーは、軽くて薄手の仕様が多いイメージがあるかもしれませんが、実際大型部品向けの丈夫な厚物トレーも製造可能です。厚みがあって丈夫なトレーはしっかり部品を保護し、重ねて収納や運搬する際も安心。損傷のない製品を提供し、自社の信頼性を向上したい場合は、高品質の厚物真空成型トレーを検討したほうが良いでしょう。
大型部品用の
厚物トレーが求められる
真空成形トレーの市場と
活用事例を解説
医療業界で扱う器具については、常に清潔さが求められている点が特徴です。注射針やシリンジ、各種カテーテル、電気メス、クランプ、鉗子などの保管については、適切なアイテムによる適切な管理が必要になるでしょう。そこで活躍するアイテムとして注目を集めているのが真空成型トレー。製品によっては防塵・静電気・脱ガスなどの対策を講じた真空成型トレーが求められますので、多様な需要に応えて活躍しています。
お菓子や冷凍食品、その他の食品を取り扱う際、衛生管理で真空成型トレーを使うことが多いです。例えば、パッケージ内のガスを排出できたり、耐熱・耐油性があって電子レンジで加熱できるなど、真空成型トレーは様々な機能を持たせることが可能。また、高級菓子やおせち料理には、見栄えを重視して特別にデザインされたトレーを使用するケースもあります。衛生管理から利便性や見た目の向上など、真空成型トレーは食品業界において不可欠な製品です。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)