本記事では、真空成形トレーを試作する流れと、試作する上での注意点について解説しています。
真空成形トレーの試作を行う際は、まず業者に問い合わせをして見積もり依頼し、内容に問題なければ制作を正式に依頼します。見積もりは、複数の業者に依頼する「相見積もり」を取り、サービスやコストなどが自社に合った業者へ依頼することをおすすめします。
試作にあたり、細かい打ち合わせを行います。大きさや厚みなど、希望を伝えた上で素材などとの兼ね合いを含めて試作品のイメージを固めます。制作する真空成形トレーによって適した材料が異なるため、ここでの打ち合わせはとても重要です。衝撃を吸収してくれる素材や、静電気が起きにくい素材などさまざまな種類があるため、製品に対する希望をしっかり伝えます。
どのような真空成形トレーを制作するかが決まったら、設計が行われます。
設計内容に基づいて成型を行い真空成形トレーのし作品が完成します。完成後に製品の確認を行い、問題なければ納品完了です。
真空成形トレーを試作する際の型と、量産する際の方は素材が異なります。真空成形を量産する際の型は樹脂型と金型の2種類です。試作品でこれらの型を使用すると費用が高額になってしまうため、試作時は人工木型を使用します。人工木型は小さいものだと10万円以下で制作できるため、試作コストを抑えることが可能です。試作品を量産することになった場合、試作型はトリミングの治具などに活用できます。
量産型では1,000ショットまで制作することが可能ですが、試作型は10ショットほどになるケースが多いです。ただし、量産型は小さい型で30万円ほどのコストがかかるのに対し、試作型は10万円ほどで制作できるため、コストは大幅に抑えられます。
真空成形トレーを試作するにあたり、製品の特性に応じた素材を選ぶ必要があります。例えば衝撃を吸収できる真空成形トレーを試作したい場合は、Hi-PEシートやPQ-ACEシートを提案されることが多く、静電気対策ができる真空成形トレーを作りたい場合は、材料に界面活性剤を練り込んだ素材を使用します。
試作した真空成形トレーに穴あけや接着を行う場合は、別工程が必要となる場合があります。別工程には追加の費用がかかるため、試作コストが高くなります。試作で確認したい要素を絞り混むことがポイントです。厚みや形状を確認できればよいということであれば、穴あけなどの仕上げ加工を省くことで試作コストを抑えられます。
特注色での制作は、500kg〜1tの発注が必要となる場合があり、少ない数で製造したい試作では予算をオーバーしてしまう可能性があります。
正式依頼の前に色番号や色見本を提供して、試作品としての製造が可能であるかを確認しましょう。
試作した真空成形トレーによって素材が変わってくるため、試作の際は製品の希望をしっかり伝えることが重要です。
以下のホームページでは、真空成形について幅広い情報を発信しています。こちらもぜひ参考にしてください。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)