真空成形トレーの試作

本記事では、真空成形トレーを試作する際の流れと、試作時に押さえておくべき重要な注意点について詳しく解説します。真空成形は比較的低コストで試作できる工法ではありますが、型の選び方・素材の選択・仕上げ加工の有無などによってコストや完成品の品質が大きく変わります。量産を見据えた試作を行うためにも、工程の理解と注意点の把握が不可欠です。

真空成形トレーを試作する流れ

問い合わせをして見積もりを出す

真空成形トレーの試作は、まず業者への問い合わせから始まります。要求仕様(サイズ、使用環境、数量、納期、希望素材など)を伝え、見積もりを取得します。業者によって対応できるサイズ、加工精度、得意ジャンル、コスト感が異なるため、複数社へ相見積もりを依頼することが一般的です。

また、試作段階では「最適な素材選定」「想定ロットによる量産費用の概算」「トリミング方式の確認」など、試作以降の流れも含めて提案してくれる業者かどうかも業者選びの重要なポイントとなります。

詳細の打ち合わせを行う

見積もり後は、トレーの寸法・肉厚・用途・積み重ねの仕様・耐久性・搬送方法などの詳細をすり合わせます。真空成形では、目的によって選ぶべき素材が大きく異なるため、この段階での情報共有が極めて重要です。

  • 衝撃吸収を重視 → Hi-PE、PQ-ACE など耐衝撃素材
  • 静電気対策が必要 → 帯電防止グレード(界面活性剤練込タイプ or 導電性タイプ)
  • 食品用途 → PS、PET、耐熱PET など衛生性重視の素材
  • 重機部品など重量物 → 厚肉PP・ABS など高剛性素材

さらに、抜き勾配の設定、脚(突起)の形状、積載効率(スタッキング性)なども、この段階で確認しておくことで試作時の手戻りを防ぐことができます。

試作品の設計

仕様が固まったら、CADを用いて試作品の設計に入ります。真空成形ではシートを引き延ばして加工するため、完全に均一な厚みにならないことを考慮した形状設計が必要です。深い部分は薄くなりやすく、角の部分は引きつれが出やすいなど、真空成形特有の形状変化を見越して設計することが品質に直結します。

この段階では、図面だけでなく「3Dデータ」「簡易モックアップ」「積み重ね時の干渉チェック」などを行うことで、後工程の修正量を減らすことができます。

成型・検査・納品

設計に基づいて試作型を製作し、真空成形機で試作品を成形します。試作品完成後は、寸法測定、積み重ねの安定性、部品とのフィット感、外観チェックなどを行い、問題がなければ納品となります。

場合によっては、1回目の試作で微調整が必要となり、再試作を行うこともあります。試作段階で設計の問題点を発見しておくことが、後の量産トラブル防止に直結します。

真空成形トレーを試作する際の注意点

試作と量産では使用する型が異なる

試作段階では、金型(アルミ)ではなく人工木型が一般的に使用されます。人工木型は費用が安く、小さい型であれば10万円以下で制作可能です。一方、量産型として使われる樹脂型・金型は高耐久で精度が高いものの、数十万〜数百万円の費用がかかるため、試作で使用するにはコストが見合いません。

なお、試作型は量産フェーズで「トリミング治具」「検査治具」として再利用することもできるため、無駄にならない点も利点です。

試作型は成形できるショット数が少ない

量産用の金型では1,000ショット以上の成形に耐えられますが、試作型(人工木型)は10ショット前後が限界です。繰り返し使用するうちに型が摩耗し、寸法が安定しなくなるためです。

とはいえ、試作型は量産型より大幅に安価であるため、サンプル確認、試験用トレー評価、形状確認など、目的を絞って使用すれば大きなコスト削減につながります。

作りたい真空成形トレーによって素材が変わる

真空成形トレーの最適素材は、用途により大きく変わります。試作段階で目的を伝えないと、期待する性能が得られないトレーが完成してしまうことがあります。

また、素材によって「厚みの伸び方」「角部分の強度」「透明性」「耐熱性」などが異なるため、試作時点で使用材料を正しく選ぶことが重要です。特に帯電防止材は“持続性タイプ”と“表面コートタイプ”で性能が異なるため、使用環境(湿度・搬送距離)によるアドバイスも必要となります。

仕上げ加工には別途コストがかかる場合がある

試作トレーに穴あけ、切削、接着、貼り合わせなどの後加工を行う場合、追加工程となり試作費用が増加します。初期段階では「形状・厚み・嵌合チェック」だけを目的にし、不要な加工は省略するとコストを抑えられます。

量産時に必要な加工であっても、試作時には“簡易加工”“手加工”で対応するなど、費用を抑えながら検証できる方法を業者と相談することがポイントです。

試作は標準色で進めるのが一般的

特注色(オリジナルカラー)の場合、材料ロットが500kg~1t必要になることがあり、小ロット試作では現実的ではありません。そのため試作は標準色(黒・白・透明・半透明など)で進め、量産段階で色番号を指定するのが一般的です。

色番号・色見本は早めに提供し、量産時に「再現可能か」「最低ロットに合うか」を事前確認しておくことが重要です。

真空成形トレーの素材も確認しよう

試作段階では、製品の設計意図や使用環境を正しく伝えることで、最適な素材と形状を提案してもらえます。素材選びにより、耐久性、静電気対策、衛生性、コストが変わるため、試作前の相談が成功のカギとなります。

以下のページでは、真空成形について幅広い情報を発信しています。試作から量産までの理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

包装用トレーで使用される
真空成形の基礎知識

真空成型トレーメーカーのおすすめ3選を紹介
業界・用途に合わせて選ぶ!
おすすめ真空成型
トレーメーカー3選

小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。

工業用の部品トレー
を依頼したいなら
ジャパン・プラス
ジャパン・プラス
引用元:ジャパン・プラス公式HP
https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/
  • 約200種類※1の部品用規格トレーを用意。特注不要で様々なトレーを提供でき、コスト削減に貢献。
  • 工業部品企業む453社※2との取引実績から、複雑な形の工業部品の保護に適したトレー提案・成型が可能。内容物の破損・不良を防ぐ。
例えば…
車載部品搬送用トレー
電子部品搬送用トレー
など

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03-3912-5131
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医療用の薄物トレー
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柏木モールド
柏木モールド
引用元:株式会社柏木モールド公式HP
https://www.ksmold.co.jp/product/medical_care/手術器具キットトレイ/
  • 高度管理医療対応のクラス3クリーンルーム※3と噴霧器による調湿ダスト対策で衛生な製造環境
  • 医療機器のトレーへ充填から包装までを工場内で一括対応。クリーンな環境でパッケージング作業までを完結できる
例えば…
医療用トレー
化粧品ブリスター
など

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0745-79-5221
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食品用の耐熱トレー
を依頼したいなら
エフピコ
エフピコ
引用元:株式会社エフピコ
https://www.fpco.jp/product/feature_function.html
  • 冷凍からレンジ加熱まで可能な-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性能。加熱後の外側が熱くなりにくい安全容器
  • 寿司容器を従来素材の約60%軽量化※4する日本初※5の低発泡化(軽量化)容器の成型技術
例えば…
食品用トレー
など

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03-5320-0717
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※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf

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