真空成形によって作られる成形は、事前に用意していたプラスチックのシート・フィルムが素材として使用されます。加熱などの処理を終えたプラスチックを、用意していた金型に設置。金型とプラスチックの間を真空状態としたうえで、成形を進めていきます。
真空成形は、いくつか存在する成形方法のなかでもポピュラーなものとして知られている点が特徴です。雌型、雄型のどちらかを利用して成形していきますが、雄型を用いる場合には雄型成形(ドレープフォーミング)、雌型を用いる場合には雌型成形(ストレートフォーミング)と、それぞれで使用される呼称が異なる点は理解しておきましょう。
凸型とも呼ばれる雄型を使用した成形では、平面の強度を保てる点が強みとなります。また、上からの圧力に対する耐久性も高めとなっていますが、一方で側面からの圧力に対してはやや弱くなる点は意識しておきましょう。そのため、基本的に雄型を利用した成形は、天面の強度が求められる「ブリスターパック」などを製作する際に用いられます。金型の費用が安価であり、コストの良さについても魅力的です。
凹型とも呼ばれる雌型を使用した成形は、雄型と異なった特徴を備えています。雌型による成形の場合、周りの縁が強くなり平面部分についてはやや薄く弱くなる点が特徴と言えるでしょう。こうした特徴から、雌型による成形は多くの場合「食品トレー」などを製造する際に用いられます。注意点として、雌型の金型の費用は雄型と比べて高めとなりますが、大量生産にはより適していると言えるでしょう。
凹凸型プレス成形とは、雄型と雌型双方が持っている弱点を補う成形方法となります。加工の際、凸凹金型を同時利用することで、天面と側面両方の強度を高めることが可能です。これによって、非常にバランスの良い成果物が期待できますが、一方で製造コストは雄型や雌型と比べて高めとなるのは避けられないでしょう。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
選定理由
Googleにて「真空成型トレー」「真空成型」「工業用トレー」で検索し、真空成形関連の商品取扱が確認できた会社を調査。ISO9001取得・自社工場保持の31社の中から、下記より製造物別に各社を紹介しております。(調査情報はすべて2022年2月1日調査時点)
※工業用の薄物トレー/サイデック:工業用の部品搬送トレー納入実績が確認できた工場拠点数最多のメーカー(http://www.sydek.co.jp/)
※医療用の薄物トレー/柏木モールド:医療用トレーの納入実績が確認できた医療機器製造業許可取得しパーティクル管理導入している唯一のメーカー(https://www.ksmold.co.jp/outline/)
※工業医療の厚物トレー/植木プラスチック:厚物トレーの納入実績が確認できた24時間稼働の最大10mm板成形に対応している最厚のメーカー(https://www.uepura.com/)