真空成形とブロー成形の違い

プラスチック加工の成型方法にはブロー成形や真空成形などがあります。ここでは真空成形とブロー成形にはどのような違いがあるか解説します。

ブロー成形とは

ブロー成形はペットボトルやシャンプーボトル、ポリ袋の成形に使用される方法です。古くからあるガラス瓶の製造工程を応用した技術で、空洞の樹脂成形品の製造に適しています。

ブロー成形の種類は大きく2種類あります。それが「押し出しブロー成形」と「射出ブロー成形」です。

押し出しブロー成形は、加熱・可塑化させた樹脂を押し出し、円筒状の「パリソン(ホットパリソン)」を成形し、それを冷却・固定化させずにダイレクトに金型内にいれ、空気を吹き込んで成形する方法です。射出ブロー成形は、熱可塑性樹脂を最初に試験管状の「プリフォーム(コールドパリソン)」として射出成型し、次の工程でそれを再度加熱して「延伸ロッド」で金型内に伸ばし入れ、高圧空気を吹き込んで成形します。ペットボトルの成形によく用いられる手法です。

真空成形とブロー成形の違いを項目別に比較

真空成形とブロー成形の違いについて、対象、メリット、デメリット、工程、得意数量などの項目別に比較してみましょう。

対象

真空成形とブロー成形はどちらも熱可塑性樹脂に適した成形加工方法です。真空成形は自動車の内外装や家電品、住宅設備、各種製品カバーなど幅広く適用されています。ブロー成形はペットボトルやシャンプーボトル、ポリ袋などに使用されている方法です。

メリット

真空成形は経費が安く、製品サイズが大きいほど割安になるメリットがあります。さらにほとんどの場合30日以内で製作できるため、短納期で仕上げやすいです。また穴位置や切り欠きの変更などは型改造不要で、部分的なデザイン変更がしやすい特徴もあります。0.15mmから10mmまでと、材料厚みの自由度が高いのも大きなメリットです。

ブロー成形も真空成形と同様、金型費用が安価なメリットがあります。容器のような中空製品を射出金型で再現する場合4面の金型が必要になりますが、ブロー金型なら2面の金型のみで実現できます。また少しの形状変更なら、金型2面のうち1面のみを切削することで改造可能です。形状変更が容易にできるという点では、真空成形のメリットとほとんど変わりません。

デメリット

真空成形のデメリットは、後加工が必ず必要になることです。不要な部分のトリミングが必要なため、後加工の手間がかかってしまいます。また凸型または凹型の片側で成形する方法のため、型当たりしない面の精度が確保できないデメリットもあります。

ブロー成形のデメリットは、形状の制約があることです。エッジの多い製品や丸みの部分が小さい製品、急激にとがった形状は苦手としています。これらの形状は樹脂が回りにくいため、肉厚が薄くなるなどの成形不良を起こす原因になる可能性があるのです。金型に触れていない面の形状は精度が確保しづらく、はめ込みなどが必要な製品は注意しなくてはいけません。

工程

真空成形の工程は以下の通りです。

  1. 材料の加熱・可塑化
  2. 成形・冷却
  3. 固化後離型

成形材料となる樹脂シートや樹脂フィルムを加熱して可塑化させ、金型の上に置き、金型内部から真空吸引して成形・冷却します。

ブロー成形の工程は次の通りです。

  1. 押出
  2. 型締め・冷却
  3. 型開き・製品取出

円筒状の「パリソン(ホットパリソン)」を成形し、それを冷却・固定化させずにダイレクトに金型内にいれ、空気を吹き込んで成形します。取り出した後にバリを切り離し、切り離された箇所をきれいに仕上げる必要があります。

得意数量

真空成形は小ロット生産と中ロット生産に向いている成型方法で、30~数百個程度を得意としています。試作や継続製品、航空機部品のような特殊な部品などは1個からの成形も可能です。

ブロー成形は中ロット生産に向いている成型方法となっており、30~300個程度を得意とします。

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