真空成形とRIM成形の違い

本記事では、RIM成形(反応射出成形)の概要や、RIM成形と真空成形との違いを基礎から丁寧に解説します。外装カバー・大型筐体・高意匠のデザイン部材など、用途に応じて両者を使い分けるためには、それぞれの工法の特性を理解しておくことが重要です。

RIM成形とは?

反応射出成形で自由度の高い形状を製造できる工法

RIM成形とは、主に「2液性ポリウレタン樹脂(A液・B液)」や、エラストマー、シリコーンなどの液体樹脂を低圧で金型に注入し、金型内部で化学反応を起こさせて硬化させる工法です。液体同士が反応しながら発泡・硬化するため、複雑な形状や厚みのある大型部品でも均一な肉厚で成形できる点が特徴です。

反応射出成形は、射出成形に比べて低圧・低温で行えるため、金型にかかる負荷が少なく、金型費用も比較的安く抑えられます。また、真空成形では難しい「裏側に補強が必要な構造」や「形状が入り組んだ筐体」も一体成形しやすいという利点があります。

また、RIM成形は他素材との複合成形にも適しており、金属インサートやプラスチック部品を内部に入れたまま一体化することが可能です。複合部品の製造が容易なため、産業用筐体や車両外装などで採用されるケースが増えています。

RIM成形の活用事例

RIM成形は大型で複雑な形状が得意であることから、医療機器の外装では特に多く採用されています。CTスキャナー、X線診断装置、MRI周辺設備など、2mを超える筐体を軽量かつ高強度で成形できます。

また、サービスロボットや無人搬送車(AGV)の外装にも最適です。板金加工では表現しにくい曲面形状や連続した立体造形を高い精度で実現でき、外観デザインの自由度が格段に広がります。

加えて、建設機械・特殊車両・自動車部品でもRIM成形は活用されています。耐衝撃性や耐久性が求められる大型パネル、フェンダー類、保護カバーなどに採用されることが多く、軽量化とデザイン性を両立できる点が評価されています。

近年では、エンターテインメント分野での大型ディスプレイ枠、アーケード筐体、商業施設の3D装飾パネルなど、デザインとサイズが重要な用途でも活用が進んでいます。

RIM成形を活用するメリット

RIM成形の大きなメリットは、自由度の高い形状と大型製品の成形に対応できる点です。液体樹脂のため金型内部の細部まで均一に行き渡り、肉厚の安定性が高いことから強度や剛性が必要な製品に適しています。

ほかにも以下のような利点があります。

  • 2m以上の大型製品でも対応できる:真空槽の制約がないため、非常に大きな外装部材も成形可能。
  • 低圧・低温で成形できる:金型の寿命が長く、製造時のエネルギー負荷が小さい環境配慮型の工法。
  • 発泡成形で軽量化が可能:内部を微発泡させた構造により、軽くて強い外装部材が作れる。
  • 塗装密着性が高い:成形直後の表面エネルギーが高く、塗装が剥がれにくい特性を持つ。
  • 複合部品の一体化:インサート成形により内部部材を同時に固着でき、組立工程を削減できる。

このように、RIM成形は「意匠性」「強度」「大型化」「複合化」に優れ、真空成形では対応しにくい製品にも適しています。

RIM成形のデメリット・注意点

メリットが多い一方で、RIM成形には以下のような注意点もあります。

  • 金型費用は真空成形より高め:射出成形よりは安いが、真空成形型より高額になるケースが多い。
  • 製品重量が重くなる場合がある:発泡構造で軽量化できるものの、真空成形品より質量が増えるケースがある。
  • 生産サイクルが長い:硬化反応に時間が必要なため、真空成形ほど高速生産はできない。
  • 量産には不向きな場合も:1ロット数百個〜数千個の大量生産には適さない場合がある。

真空成形で対応できない形状をRIM成形で補完するケースも多い

真空成形は短納期・低コストで多様な形状を成形できますが、成形の仕組み上、深いアンダーカットや内部リブ構造、大型筐体には不向きな場合があります。こうした形状的な限界を補うために、RIM成形が採用されるケースは少なくありません。

そのため、製品のサイズ、強度、内部構造、意匠デザインなどを総合的に見て、真空成形とRIM成形を使い分けることが重要です。

真空成形とRIM成形の違いとは?

RIM成形のほうが大きな製品を製造できる

真空成形は成形サイズが真空槽や加熱エリアに依存しますが、RIM成形は液体材料を金型に流し込む方式のため、大型の外装パネルでも容易に成形できます。特に2m〜3m級の筐体はRIM成形の得意領域です。

RIM成形のほうが形状の自由度が高い

真空成形はシートを伸ばしながら型に吸着させる工法のため、肉厚が薄くなりやすい部分や、逆抜き形状(アンダーカット)には対応しにくいという制約があります。一方RIM成形では金型内部で液体が化学反応しながら固化するため、内部補強、分厚い面、複雑形状にも対応できます。

RIM成形のほうが肉厚を一定にできる

真空成形はシートの伸び具合により肉厚分布が不均一になりがちですが、RIM成形では液体が金型内を満たすため均一な厚みを実現できます。均一な肉厚は外装強度だけでなく、寸法安定性や耐衝撃性の向上にも貢献します。

一方、真空成形では「必要な部分だけ厚みを持たせる」「軽量化したい部分を薄くする」など設計自由度もあるため、目的に応じて適切な工法を選択することが大切です。

コストとスピードを重視するなら真空成形!メーカー選びのポイント

RIM成形は2mを超える大型筐体や複雑な一体成形に非常に優れた工法ですが、金型費用が比較的高く、成形サイクルも長いため、一般的な部品搬送用トレーやパッケージ用途にはオーバースペックとなるケースが少なくありません。

もし貴社のプロジェクトが「初期費用(金型代)をできるだけ抑えたい」「小〜中ロットで安く製造したい」「設計から試作・納品までのスピード(短納期)を最優先したい」という要件であれば、圧倒的に「真空成形」が適しています。

ただし、真空成形の「安くて早い」というメリットを最大限に引き出すためには、依頼するメーカーの選定が鍵となります。以下のポイントを満たすメーカーを選ぶことで、大幅なコストダウンとリードタイムの短縮が期待できます。

  • 特注不要な「規格トレー」の有無: 型を新規で作らずとも、豊富な既存の規格型から自社製品に合うものを提案でき、初期コストを0円に抑える選択肢があるか
  • 試作・納品のスピード: 最新鋭の成形機や内製化された設計体制を持ち、「最短3日」などですぐに現物のフィッティングを確認できるか

自社の「必要なサイズや強度」「トータル予算」「納期の緊急度」の優先順位を明確にした上で、自社工場を持ち、得意分野の異なる複数のメーカーを比較検討し、最もマッチする会社を選ぶことが失敗しない調達の第一歩です。

小ロット・短納期に強い!
おすすめ真空成形トレーメーカー3選を比較する

真空成形の基礎知識もチェック

成形工法はそれぞれ特徴があり、製造する製品の用途・サイズ・必要強度・外観性によって最適な工法は変わります。RIM成形の利点を理解することで、真空成形では難しい大型外装や複雑部品にも対応できるようになります。

以下のページでは、真空成形の基礎や用途、製造のポイントを詳しく解説しています。真空成形の理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

包装用トレーで使用される
真空成形の基礎知識

真空成型トレーメーカーのおすすめ3選を紹介
業界・用途に合わせて選ぶ!
おすすめ真空成型
トレーメーカー3選

小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。

工業用の部品トレー
を依頼したいなら
ジャパン・プラス
ジャパン・プラス
引用元:ジャパン・プラス公式HP
https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/
  • 約200種類※1の部品用規格トレーを用意。特注不要で様々なトレーを提供でき、コスト削減に貢献。
  • 工業部品企業む453社※2との取引実績から、複雑な形の工業部品の保護に適したトレー提案・成型が可能。内容物の破損・不良を防ぐ。
例えば…
車載部品搬送用トレー
電子部品搬送用トレー
など

真空成型トレーの
取り扱い事例を詳しく見る

公式HPから
問い合わせる

03-3912-5131
電話で問い合わせる

医療用の薄物トレー
を依頼したいなら
柏木モールド
柏木モールド
引用元:株式会社柏木モールド公式HP
https://www.ksmold.co.jp/product/medical_care/手術器具キットトレイ/
  • 高度管理医療対応のクラス3クリーンルーム※3と噴霧器による調湿ダスト対策で衛生な製造環境
  • 医療機器のトレーへ充填から包装までを工場内で一括対応。クリーンな環境でパッケージング作業までを完結できる
例えば…
医療用トレー
化粧品ブリスター
など

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公式HPから
問い合わせる

0745-79-5221
電話で問い合わせる

食品用の耐熱トレー
を依頼したいなら
エフピコ
エフピコ
引用元:株式会社エフピコ
https://www.fpco.jp/product/feature_function.html
  • 冷凍からレンジ加熱まで可能な-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性能。加熱後の外側が熱くなりにくい安全容器
  • 寿司容器を従来素材の約60%軽量化※4する日本初※5の低発泡化(軽量化)容器の成型技術
例えば…
食品用トレー
など

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問い合わせる

03-5320-0717
電話で問い合わせる

※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf

業界・用途に合わせて選ぶ! おすすめ真空成形トレーメーカー