真空成形においての金型と木型は、その名前の通り金属を使用しているか木材を使用しているかの違いです。真空成形はあらかじめ製品化したい型を用意し、その型に合わせて事前に用意しておいたプラスチックを密着させ、真空状態にして成形するのが基本の工程です。
型は主に木材もしくは金属を使用しており、木材の場合は「木型」と呼び金属の場合は「金型」と呼んでいます。木型と金型にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、製品の素材や形、納期や用途に合わせて選ぶのが一般的です。木型と金型の違いを理解することでどちらを使うか選びやすくなるでしょう。
真空成形で使用する木型は、主に試作用として用いられるケースを多く見かけます。その理由としては、材料費・加工費が安いこと、そして製作日数が短いことが関係しています。真空成形をする際にまずは試作を…となると、試作をしてまずは問題ないかどうか確認をするという工程が入るため、試作までのスピーディーさが求められます。試作までに時間がかかると、最終的な納期も延びていってしまいます。
実際に製品化するまでの納期は定められているため、少しでも早く試作に取り掛かるためには、型が必要です。木型であればすぐに製作ができるので、試作完成までの期間も短縮できます。
ただし精度の高い木型も増えてきており、実際に製品を作る際の型として使用するケースも多くなってきました。金属よりも軽いため、成型機にセットしやすい、金属よりも取り扱いがしやすいというような理由から、多品種少量の真空成形を行うときに適しています。
木型を使用して実際の製品を製造する場合は、製品化するにあたってふさわしい型であるかどうかはしっかりとチェックしてください。精度が高いかどうか、そして木型ならではのメリットを生かせる製品であるかを確認したうえで使用しましょう。
木型に使用される素材はさまざまです。紅松や姫子松・樫・ヒノキ・桜・朴などを使用するケースもありますが、現代になってからはABS樹脂やケミカルウッドなどで木型を製作することが増えています。業者によって取り扱っている木材は異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
金型と木型の違いで大きな点は、初期費用です。先ほどもお伝えしたように、木型は金型よりも低コストで製作できます。木型は、金型を製作する費用の3分の1ほどの金額で製作が可能です。少量しか製作しない製品の場合は、コストをかけて金型を作っても結局使う回数が少なく、最終的には利益にも影響を及ぼします。一方で木型であればコストが抑えられることで、より利益率を上げたり製品の金額を下げられたりといったメリットもあるでしょう。
ただし金型は冷却効率が高いため、木型よりも工賃と呼ばれる製品単価は抑えられます。同じ型を使って大量に製品を製造する場合は、金型のほうが最終的に単価が低くなるケースが多いです。
またもう一つは、型製造にかかる時間です。金型は製造に時間がかかるため、短納期対応は難しいケースが多いでしょう。一方で木型であれば、すぐに型が出来上がるため急ぎの製品化にも対応できます。
まとめると、1ロットあたり数十万ほどもある大ロットであり小品種の場合は金型真空成形が、反対に小ロットで多品種の製造にかかるコストを抑えるなら木型真空成形がおすすめです。
小ロット生産や短納期の試作対応などは当たり前にどの会社も対応しています。そのため、ここでは品質を担保するISO9001を取得し、安定して生産し続けられる自社工場を持つメーカーの中から、製造物別におすすめの会社を紹介します。
※1※2 2024年10月調査時点。参照元:ジャパン・プラス公式HP(https://www.j-p.co.jp/products/buhintray/)
※3 参照元:柏木モールド公式HP(https://www.ksmold.co.jp/advantage/environment/)
※4 参照元:エフピコ公式HP(https://www.fpco.jp/product/sd.html)
※5 参照元:エフピコ公式HP[PDF](https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20231030_4.pdf)